少子化(少子高齢化)
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日本の少子化問題を考える
しょうしか 【少子化】?人口の再生産に必要な水準を下回って出生率が低下すること。高齢化を早めるとともに長期的には人口減少をもたらす。
今回のテーマは少子化。日本の社会保障、労働市場に深刻な影響をもたらす少子化問題についてご紹介していきたいと思います。
少子化の現状
日本の年間出生数は1971年頃の第2次ベビーブーム以降減少傾向が続いており、1971年の年間200万人と比べて、2000年の時点では年間119万人にまで減ってしまいました。これを『合計特殊出生率』という値で見ると、1971年の2.16から、2000年には1.36と、およそ4割程減少しています。この値は一人の女性が一生に生む子どもの人数を示すもので、長期的に人口を維持できる水準とされている2.07を大きく下回っており、政府が国会に提出した平成17年版「少子化社会白書」では、2006年頃から総人口の減少が始まるだろうとされています。
なぜ少子化が起こるのか?
少子化が進んでしまったのは、「経済的負担が大きい」「子育てよりも自分たちの生活を楽しみたい」「子育てに魅力を感じない」と言った理由から出産を遠慮してしまう夫婦が増えたからであり、その他にも、女性の晩婚化、未婚化などが進んだ事などが理由だと考えられています。また、保育施設や育児休暇制度が十分に整っていない為に、シングルマザーを望む女性が、働きながら子育てをした場合の負担を考慮して出産を断念してしまうケースも多く、これらの問題が解決されなければ少子化は今後も進んでいくと思われます。
職場でのトラブルや家庭不和
少子化の影響は社会全体に及び、少子化が進んで日本の総人口が減り続けると、労働人口の減少と消費市場の縮小による経済成長の低下を招きます。また、高齢化が進むことで年金、医療、介護にかかる社会保障費が増加して、それをまかなう為に税金が増え、国民の負担が増大することも懸念されています。日本の総人口は2000年(平成12年)の時点で、約1億2693万人となっていますが、現在の減少傾向がこのまま続けば、2050年(平成62年)にはおよそ1億人弱にまで減少し、その内の高齢者の割合は2000年時の17.4%から、35.7%にまで増加すると予想されています。
少子化への取り組み
少子化問題については、もう何年も前からその対策方法が話し合われており、実際に政府主導による少子化対策への取り組みも既に始まっています。更に近年では従来の取組に加えて、内容をより一層充実させた新たな対策「少子化対策プラスワン」の実施に向けての準備が進んでいます。まだまだ道のりは遠いですが、いつの日か、誰もが安心して子どもを生み、育てていける様な社会が実現して欲しいものですね。