負動産(不動産神話の崩壊)
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あなたの負動産があなたの資産を食いつぶす?!
相続不動産信和崩壊の現実
あなたの不動産が「負動産」になる(出)ポプラ新書(著)吉田太一
親の家に住まない
「親が亡くなって不動産はたくさん残してくれたんだけれど、現金がなくて相続税が払えない……」こんな話を聞いたことは有りますよね?「これはお金持ちの話で私達には関係の無い話だ」と思っていませんか?
しかし、平成27年1月旧以後の相続から相続税を払わなくてはいけない対象者が大幅に増えますので、もしかすると皆さんも相続税を払わなければならなくなるかもしれないのです。もしかしたら、資産価値が下がり、実質売却不可能な不動産(負動産)を相続によって引き継いだ場合でも今まで掛からなかった税金が掛るかもしれないという事なのです。でも税金は国民の義務ですから仕方ありません。。。
もちろん固定資産税は払い続けなければなりませんが、年間に数十万円も掛る人はそんなにいませんので、それほど生活に大きな影響を与えるものでは有りません。しかし、中古マンションを相続した場合は、住んでいなくても管理費、積立金が毎月掛かります。仮に管理費、積立金が月額25,000円かかる場合は、1年で30万円、10年間で300万円の出費をすることになってしまうのです。相続税も払った上にさらに固定資産税も払い続ける訳ですから、中古マンションは、自分が住むか、賃貸物件として収益を上げる事が出来ないと金食い虫の不動産(負動産)となる訳ですね。いや、恐ろしい金額です・・…。
また、築33年程度のマンションで現在1,500万円で売却可能なマンションであっても、10年後は1,000万円でも売却不可能な価格になっている可能性は十分にあります。
親の家が売れない
いくら価格が下がるかは、場所や建物によっても変わりますが、少なくともバブル時代のように現在より価格が上がることは考えられません。つまり、上記の例で単純計算してみると。
●固定資産税を年間に8万円とした場合10年で80万円(3年に1度変動します)
●マンションの管理費・積立金が10年で300万円(月々25,000円とした場合)
●10年後不動産の価値の下落が500万円と仮定した場合
●これ以外の雑費を年1万円として10年で10万円
●この金額を単純に加算すると80+300+500+10=890万円となります。
つまり、現在1,500万円の価値のあるマンションが890万円目減りすることになる訳です。
これはあくまでも中古マンションを10年間空き家にしていた場合の仮説の話です。しかし、このような事を考えると、相続時の心配ではなく相続後の資産をどう活用するのか、また現状の不動産価値がどれほどあるのかを知っておくのはとても重要な事になるのですね。売れると思っていた実家が、思った以上に安かったり全く売れない不動産(負動産)かも知れないのです。恐ろしい話ですがこれが今の日本の現実なのです。