法定相続人
遺言・相続ガイド
法定相続人であっても相続の資格を失うことがある。
故人の財産は遺言によって自由に処分する事が認められていますが、遺言がない場合に故人の財産を承継できる人間は民法によって定められています。この民法の規定により相続人となる人のことを「法定相続人」言います。
法定相続人は4種類
◆ 配偶者 ◆ 子 ◆ 父母 ◆ 兄弟姉妹
配偶者(常に相続人)
配偶者とは法律上の夫または妻のことであり、婚姻関係の無い内縁の妻や愛人には相続権はありません。
子(第一順位の相続人)
ここでいう子とは直系卑属のことを指し実子に限らず、養子、内縁の妻や愛人との子供、胎児、孫やひ孫も相続人となります。
父母(第二順位の相続人)
第一順位の子(直系卑属)がいない場合に相続人となり、父母が既に亡くなっている場合は祖父母が相続人となります。
兄弟姉妹(第三順位の相続人)
第一、第二順位の相続人がいない場合にはじめて相続人となることができます。
相続資格を失う場合
法定相続人であっても「相続欠格」に該当する場合と「相続廃除」によって相続権を剥奪された場合は相続の資格を失うことがあります。
相続欠落
相続欠格とは相続において特定の相続人につき民法で規定されている不正な事由が認められる場合にはその者の相続権を失わせる制度であり、以下の事由が相続欠格事由となります。
◆ 故意に被相続人、先順位・同順位の相続人を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために刑に処せられた者
※被相続人=相続される人
(被相続人や自分より順位の上、または同じ順位の相続人を殺して、または殺そうとして実刑になった者)
◆ 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、または告訴しなかった者
(親が殺されたのにそれを警察に訴えないなど)
◆ 詐欺・強迫により、被相続人が相続に関する遺言を作成・撤回・取消し・変更することを妨げた者
(自分に不利な遺言書だからと被相続人を脅迫して遺言書を作らせないようにしたなど)
◆ 詐欺・強迫により、被相続人に相続に関する遺言を作成・撤回・取消し・変更させた者
(被相続人を脅迫して自分に有利になるように遺言書を作らせたなど)
◆ 相続に関する被相続人の遺言書について偽造・変造・破棄・隠匿した者
(自分に有利なるように被相続人の遺言書を偽造するなど)
相続人の廃除
相続欠格は法律で定めた事由に該当した場合は当然に相続権を失いますが相続人の廃除とは
被相続人の意思によって相続権を奪う制度です。
廃除の理由は下記のものとなります。
◆ 被相続人を虐待した場合
◆ 被相続人に対して、重大な侮辱を与えた場合
◆ 推定相続人にその他の著しい非行があった場合
※相続の開始以前に被相続人の子あるいは被相続人の兄弟姉妹が相続欠格・廃除によって相続権を失った場合はその欠格・廃除によって相続権を失った者の子が代わって相続することができます(代襲相続)