相続の遺留分
遺言・相続ガイド
相続人のとってあまりに不利益な事態を防ぐ為に規定されたのが遺留分制度
遺留分とは被相続人(相続される人)の兄弟姉妹以外の相続人に対して遺産の一定割合の取得を保証する制度の事を言います。被相続人は遺言書を作成すれば自己の財産を自由に処分する事が認められています。ですので、遺言書によって法定相続人以外の人に財産を全て遺贈するということも可能となります。
しかしながら、遺族をかえりみないような行き過ぎた遺言は残された遺族にとっては経済的に大打撃を受けることになりかねませんので、相続人のとってあまりに不利益な事態を防ぐ為に規定されたのが遺留分制度となります。
遺留分減殺請求
前述のように被相続人は自己の財産を遺言によって自由に処分する事ができます。また、相続人の遺留分を侵害している内容の遺言も当然に無効となるわけではなく、相続人が自己の遺留分を主張(遺留分減殺請求)するかどうかは相続人の意思に任せられています。
遺留分の割合
◆?直系尊属のみ(父母、祖父母)が相続人の場合 ・・・相続財産の3分の1
◆?それ以外の場合(配偶者と子、配偶者と父母など)・・・相続財産の2分の1
◆?被相続人の兄弟姉妹には遺留分はありません。
※遺留分を有している相続人が複数いる場合は遺留分全体を法定相続分の割合に従って分配します。
遺留分減殺請求権の期間
遺留分減殺請求権は遺留分を有している相続人が相続の開始及び減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年、たとえ知らなかったとしても相続開始から10年を経過すると時効によって遺留分減殺請求権は消滅します。